大山崎山荘美術館 

2007, 03. 26 (Mon) 17:43

歴史
大山崎山荘美術館という京都・大山崎町の山中にある瀟洒な美術館がある。
美術館といっても、元々は加賀正太郎という実業家の邸宅だった山荘。1929年に現在の山荘らしい姿に増築されたそう。
木造作りなので確かに古くはあるが、年季の入った建物のレトロな風情はとても落ち着ける。
山側になぜか塔が建っている。「白雲楼」というらしいが、加賀氏がここから工事を指揮したらしい。

加賀正太郎は加賀証券社長で、ニッカウヰスキーの初期の筆頭株主だった。
太平洋戦争後、彼は病に伏せるが、死後の株券が散逸するのを防ぐために、生前に朝日麦酒(今のアサヒビール)に全ての保有株式を売却したので、ニッカウヰスキーは朝日麦酒のグループ会社となった。
この大山崎山荘は加賀の死後、所有者が転々として、不動産会社の手に渡ったそうだ。
この会社は、山荘を取り壊しマンション建設計画を打ち上げたので、反対運動が起こった。
いくらなんでも、あの場所でマンションはなかろう、と思う。
あの瀟洒な建物と四季の自然が美しい庭を一目見れば、マンションを建てる気など失せると思うが、そうならないところが不動産会社らしい。
このマンション建設問題に頭を痛めた当時の荒巻京都府知事が、旧知の樋口廣太郎(アサヒビール社長)氏に相談した結果、結局、アサヒビールが買い取って美術館として一般公開するようになった。
たぶん、ニッカウヰスキーという接点もあったのだろう。
近くの山崎にはサントリーの蒸留所があるし、この界隈はお酒に縁があるらしい。

大山崎山荘の建物と庭園
大山崎山荘の特徴は、洋風建築の建物は当然として、その庭園にある。
庭園はかなり広大で、手入れされた日本庭園や池、広々とした芝生、藤棚など、日がな一日のんびりするのには絶好の空間。
植物には詳しくないので、どんな木や花が植わっているかは全然わからないが。
特別の企画展がない限りは、訪れる人もそれほど多くはない。
美術館の本館はこの木造式の邸宅だが、内部は見学できる。
2階にはティールームもあるので、山荘から周りの景色を眺めながら、お茶を楽しめる。
もう一つ有名なのは、新館の美術館。
これは安藤忠雄設計によるコンクリート打ちっぱなしの地下美術館。
このコンクリート建物への入口だけは地上にあるが、地上部の廊下にはガラスを使用して視界を遮断しないようにしている。
建物の周りにとても小さな人工的な瀧を作っているし、樹木に囲まれているので、木造の山荘と庭園に囲まれた土地の中にあって、全然目立たない。

美術展
大山崎山荘は美術館といえど、展覧会自体はさほど大したものはない。
アサヒビールのコレクションであるビアカップ・ビアマグの展示に行ったことがある。
これは世界の年代物の珍しいカップを見ることができたので、面白かった。
企業が本業がらみで集めたコレクションはさすがに充実している。


春は桜が満開。山荘へ向かう道でも桜が咲いている。
夏は涼しい山荘で涼むのもいい。巨大な樹木が山荘を覆っているので、木陰がとても涼しい。
秋は紅葉の色が濃く、黒々とした山荘に良く映える。
冬は寒そうなので、まだ行ったことがない。
美術館のWEBサイトでその時々の風景の写真が載っている。

そういえば、芝生には巨大なウサギの彫刻が置いてあったのを思い出した。
ウサギを手前に入れれば山荘の建物と庭をおさめた写真が撮れるようになっている。

”建築+街並探訪 Visit Architecture and Street”
には、大山崎美術館の写真がたくさん掲載されている。

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