電子図書館「青空文庫」 

2007, 03. 30 (Fri) 22:22

最近、インターネットの電子図書館「青空文庫」のことを知った。
電子図書館があるのは知っていたが、もっぱら本を所蔵する方なので、電子図書館をのぞいてみようとはついぞ思わなかった。

たまたま、著作権延長問題を検索していて見つけたが、ああこういう便利なものがあるんだな~と、感動してしまった。
今日も山村暮鳥の「いちめんのなのはな」が載っている詩集を青空文庫で見つけた。
ついでに、坂口安吾の「不良少年とキリスト」と中島敦の「弟子」を検索してみると、ちゃんと載っている。

青空文庫は、「利用に対価を求めないインターネット電子図書館」。
収録作品は、著作者の死後50年間を経過した著作権の消滅した作品と、「自由に読んでもらってかまわない」とされた作品で構成されている。

データ形式は、 テキスト形式、 XHTML(一部は HTML)形式、エキスパンドブック形式。
エキスパンドブックファイルは初期に収録した作品にはサポートされていないようだ。
フリーウェアの専用ビュワーがあるので、これを使えばパソコン上で本のように縦書きで読める。

一体誰がこのシステムを開発したんだろうかと不思議に思って、青空文庫のホームページで由来を探した。
「青空文庫を支える人々」という頁で呼びかけ人と青空工作員(入力・校正)のリストが公開されている。
呼びかけ人はプロのライター。病気がきっかけでこの青空文庫を始めることにしたそうだ。
最初は全てがボランティアベースだった。
初期費用は呼びかけ人が分担し、工作員も底本の購入費用やコピー代、送料等を負担していた。
個人のウェブページのようなもので公開していたらしい。

そのうち、企業から協力を得ることができ、企業のサーバー上に青空文庫を置いてもらったり、助成金を出してもらったりと、徐々に青空文庫を拡張していくことができたようだ。
インターネットが普及し始める初期の頃に、評価が定まっていない活動に対して企業が協力するのは、冠イベントなんかにお金を使うより、よっぽど文化振興らしい行為だと思う。
今までの支援企業は、ボイジャー、アスキー、トヨタ財団、日立製作所サービス事業部、マイクロソフト調布技術センターIMEチームなど。
規模が拡大すると運営組織も必要になってくる。有給の専従者をつける必要もある。
経費は、助成金やバナー広告による収入、個人からの寄付、賞金などを当てている。
この経緯はホームページに詳しく書かれている。

青空文庫のデータ入力・校正作業は、ボランティアによるもの。
このボランティアを「青空工作員」という。
全部で570人くらいが登録している。
お知らせページに、”青空工作員から作業を引き継げないかとの打診があるが、連絡がとれない。一ヶ月まつので、連絡を取り合えない場合は入力作業を他に人に引き継いでもらうことにする”という旨の記載が度々出ている。
本のテキストを入力するのは手作業だとかなり膨大になる。
OCRでスキャンして文字変換すればかなり楽にはなると思うが、文字校正は必ず必要にある。
それでも手作業で入力するよりははるかにマシだろう。

本はやっぱり印刷されたもので読む方が楽だし、どうしても所蔵欲が出てくるので、本を買うのは止められない。
本を買う前に、必ず本屋さんで立ち読みするか、図書館で借りて、中身を確認することが多い。
それでなくとも本の置き場で頭が痛いのに、手当たり次第に買った日には、床が抜けかねない。
本の中身がweb上で見れて、そのアーカイブ作りはボランティアが支えているのだから、インターネットの威力はすごいものがある。
青空文庫は文学・哲学作品の収録が多い。たった1つの短編から読むことができる。
最近は雑誌は売れるけど、本の販売点数は下降の一途。
本を読むという習慣がない人もいるらしい。どうやって本を読まずしていられるのか、私の理解を超えている。
青空文庫は、個人の図書館代わりにも使えるくらい便利だけれど、本当に気に入った作品は、本を買って手元に置いておきたくなる。

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