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桜の樹の下には屍体が埋まっている!
桜の花がようやく満開になった。
東京は近畿より半月くらいは早く咲く。

ローカルな桜の名所で有名な都内のある公団の桜並木。
巨大な桜の木が数十本植えられている。
真っ白い桜の花が幾重にも重なって、壮観。
三脚を持って写真を撮りに来ている人、背広姿で携帯で写真を撮っているお勤めの人がちらほら。
お昼頃には、桜の木の下でお弁当を食べている家族連れがたくさんいる。
ベンチには、お年寄りの団体様、2人連れの女の子、小さな子供を遊ばせているお母さんなど、普段にない賑わいである。
満開の桜の木には、人を引き寄せる魔力がある。

桜といえば、「桜の樹の下には屍体(したい)が埋まっている!」という梶井基次郎の有名な一節がある。

桜の樹の下には屍体が埋まっている!
 これは信じていいことなんだよ。何故って、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だった。しかしいま、やっとわかるときが来た。桜の樹の下には屍体が埋まっている。これは信じていいことだ。



彼の作品のうち覚えているのは、「檸檬」とこの「桜の樹の下には」
感性的な作品が理解できる方ではないので、梶井基次郎は苦手だが、満開の桜の美しさと屍体を結び付けていたグロテスクな連想だけは、しっかり覚えている。

「桜の樹の下には」を検索していて、坂口安吾にも「桜の森の満開の下」という作品があるのを見つけた。

 桜の花が咲くと人々は酒をぶらさげたり団子をたべて花の下を歩いて絶景だの春ランマンだのと浮かれて陽気になりますが、これは嘘です。なぜ嘘かと申しますと、桜の花の下へ人がより集って酔っ払ってゲロを吐いて喧嘩して、これは江戸時代からの話で、大昔は桜の花の下は怖しいと思っても、絶景だなどとは誰も思いませんでした。近頃は桜の花の下といえば人間がより集って酒をのんで喧嘩していますから陽気でにぎやかだと思いこんでいますが、桜の花の下から人間を取り去ると怖ろしい景色になりますので、能にも、さる母親が愛児を人さらいにさらわれて子供を探して発狂して桜の花の満開の林の下へ来かかり見渡す花びらの陰に子供の幻を描いて狂い死して花びらに埋まってしまう(このところ小生の蛇足)という話もあり、桜の林の花の下に人の姿がなければ怖しいばかりです。

満開の桜の美しさは、作家にかかると妖しげな美しさに映るらしい。
確かに健康的な明るさだけかというとそうでもなさそう。
あれだけ壮大に咲き誇っているのを見ると、人を虜する妖艶さがあるといえばあるような...。
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クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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