サントリーミュージーアム[天保山] 

2007, 03. 31 (Sat) 12:07

美術館に行くのはとても楽しい。
絵を見に行くのが楽しいというよりは、美術館が持つ空間の雰囲気がもつ非日常的な感覚が気に入っている。
美術展はもう数え切れないくらい行ったが、見に行く美術館というと大体決まっている。行ったことのある美術館の数は20以上はあるので、多くもないが少ないもない。
好きな画家や写真家の展示が目的で行く時と、建物と空間を楽しむためのも兼ねて行く時がある。後者の方はそれを楽しめる美術館が限られている。

最近できた美術館(といっても10年以上前からだと思う)は、建物そのものと美術館をとりまく空間設計に凝ってきたように思う。
今まで行った中で建物と建物周囲の空間が気に入っている美術館は、天保山にあるサントリーミュージアム、兵庫県立美術館、滋賀県立美術館、東京都庭園美術館、原ミュージアム、京都国立近代美術館といったところだろうか。

美術館の中でも、とりわけよく行ったのがサントリーミュージーアム[天保山]
美術展自体には3回か4回くらいしか行っていないが、美術館周辺の写真だけを撮りに5回くらいは行ったような気がする。

サントリーミュージーアムは安藤忠雄の設計。
彼の設計した建物にはコンクリート打ちっぱなしが多く、外観はとてもいかつい感じがする。
しかし、その空間の中に入ってみると、コンクリートの無機性を感じさせないし、建物自体の威圧感も感じない。
ガラスをふんだんに使っているので、コンクリートの壁の閉鎖性を薄めているせいだろうか。
一つ一つの空間はかなりゆったりとしている。空間自体が開放的な感じがして、長時間いてもとても心地よい。

私が好きな美術館は、安藤忠雄が設計していることが多い。
大阪近郊の美術館となると限られているからだろうが、大阪出身の安藤忠雄は文化施設の設計ではとても人気があるようだ。
兵庫県立美術館、大阪府立近つ飛鳥博物館、大山崎山荘美術館、それに、美術館ではないが淡路夢舞台。

サントリー・ミュージアムのある天保山からは大阪港が見渡せる。ミュージアムは海辺に面した岸壁に向かって建てられている。
天保山一体は写真を撮るためにあるような場所。
水平線に落ちる夕陽が真正面から撮影できる絶好の場所といえる。
三脚片手のアマチュアカメラマンをよく見かける。
但し、海辺なので風が強く冬はとても寒いので、防寒スタイルは必須。

天保山には、地区開発プロジェクトとして「天保山ハーバービレッジ」が建設されている。
海遊館という水族館、マーケットプレイス、大観覧車があって、おそらく米国のベイエリア開発をお手本にしたものだと思う。
クルーズ用の客船も発着している。「シルフィード」という客船に仕事で2回ほど乗船したが、まっ昼間からフランス料理のフルコースが出てくるので、クルージングはなんと贅沢な時間の使い方かと思ったことがある。

海遊館は入館料がたしか2000円以上したはず。
それでも大阪の観光名所のひとつになっていて、小中学生の団体やら、家族連れで結構にぎわっている。
ジンベエザメが人気ものだが、狭い水槽の中では長生きできないためか、知っているだけで今までに2匹が死んでしまった。
いくら巨大水槽とはいえ、ジンベエザメにとっては小さな鳥かごのようなものだろう。

サントリー・ミュージアムには現代ものが多い。
特に、アールヌーボー系、ロートレックやガレ、ミュッシャあたりは、繰り返し展示をしている。
行ったことがあるのは、アンドレ・ケルテス、ミュシャ、ガレ、クリムト、フリーダ・カーロの展覧会。
アンドレ・ケルテスの写真展をするとは、なかなかの懲り様だと思う。
マグナムは超有名なのでいろんなところで写真展をやっているが、ケルテスだけの写真展というのは、かなり珍しいはず。
人気のあるクリムトは1度だけ展覧会があった。大晦日に行ったので人気もまばら。大晦日に行くとゆっくり見れる。

ミュージアムの内部から海辺が見渡せるようになっている。
海側に突き出した巨大なアトリウムのようなギャラリーから、これまた巨大な窓ガラスを通して、水平線に沈んでいく夕陽を見るのは、とても贅沢な時間。

外に出ると、マーメイド広場といって、階段状になって海側に広がり、その海を背に5本の柱が並ぶ空間がある。
この柱が不思議な気がして、パルテノン神殿の柱を連想してしまった。
海上をステージと見立てた時の客席になるようにした「海の劇場」というコンセプトだそう。

大阪へ来たときは、一度は天保山へ寄ってみるといい。
大阪=大阪城と食い倒れというイメージが世間にはあるようだが、大阪らしくない観光名所の天保山は、とても楽しい場所です。

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