有機JAS規格 

2007, 06. 14 (Thu) 21:55

有機JASマークが付いた食材をよく見かけるようになったが、”有機”といっても、農薬・化学肥料不使用とは限らない。

1999年にJAS法が改正される前までは、”有機農産物”について統一された表示基準がなく、何を根拠にしているのか不明確な”有機””オーガニック”食材が溢れていた。

JAS法の正式名称は「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」。
JAS規格(日本農林規格)と食品表示(品質表示基準)を規定しているので、有機食材として表示するには、”有機JASマーク”の認定が必要になっている。

有機農産物の基準のポイントは、
◆堆肥等による土作りを行い、播種・植付け前2年以上及び栽培中に(多年生作物の場合は収穫前3年以上)、原則として化学的肥料及び農薬は使用しないこと
◆遺伝子組換え種苗は使用しないこと
だそうだ。
この「原則として化学的肥料及び農薬は使用しないこと」とあるのは、使用が認められている農薬や化学肥料があるからだろう。

野菜などの残留農薬検査データを見ると、有機農産物でなくても、残留農薬がゼロのものもあるし、輸入食材といっても残留農薬がないものもある。中国産でもそうだ。
ただし、食材の種類や生産地によっても違うだろうし、サンプル検査の場合は、残留農薬がゼロであっても、サンプル以外の食材がゼロであるという保証はない。

日本の国産農作物でも、時々残留農薬が基準値を超えて回収していることがある。
多分農家が使用量や時期を間違ったんだろう。
無登録農薬を使って問題になったケースもある。
平成14年に山形県産西洋なしで未登録農薬カプタホール、シヘキサチン不正使用が発覚し、その後でも未登録農薬のα-ナフチル酢酸ナトリウムとペンタクロロニトロベンゼンの不正使用も露見して、結構な問題になっていた。
販売していた業者も問題だが、44都道府県で無登録農薬の販売は約270営業所(個人を含む)、購入したのは約4000農家だとわかり、農薬取締法を改正せざるを得なくなった。

この無登録農薬をめぐる群馬「食品安全県民会議」の議事録を見ていると、リスクや法遵守のモラリティも人それぞれといところか。
「農薬の使用状況を見るとリンゴやなし、ヤマトイモであり、イチゴには使われていない。100%安全なものはないのだから皮をむけば大丈夫ではないか。」という発言をしていた消費者側の公募委員で(財)群馬県産業支援機構貿易相談員がいた。
本当にそんな発言をしていたのなら、生協などの消費者団体の委員と挿げ替えた方がよかったんじゃないか。

群馬県では去年の5月頃に、有機リン系農薬の空中散布を農家に自粛要請していた。
農薬の空中散布は無人ヘリで行うので、人手不足の農家からすれば効率的ではあろうが、有機リン系農薬は慢性毒性が指摘されている。
特に空中散布の場合は、地上散布の100倍以上の濃度で散布されるため、この農薬を吸い込んだ人の健康被害が実際に出ている。
風向きによっては、周辺の農地、河川や住宅地へも飛散する”ドリフト農薬”が発生するという。
農薬は劇薬の一種なのだから、農薬使用にはもっと注意を払ってもらいたいものだ。

企業ではない個人だからといって、品質管理や安全管理の意識が高いとは限らない。
特に個人の場合は、内部チェックするシステムがなく、農協や行政の処分はそれほど重くはない。
そもそも、企業ならその製品を買わないという行動はとれるが、農家の場合は、その農家が作った生産物に限って買わないということはできない。
企業は組織的な不正というリスクがあるが、それは個人でも変わらない。個人の良識依存という恐さがある。

国産とはいえ生産者の過失が全くないわけもないが、少なくとも中国産の野菜や、ポストハーベスト農産物よりは、マシではあろうと信じられているようだ。
農薬に色が付いていたら、残留していれば色が残ってわかりやすくていいのだが、誰もそんなものは買わないだろう。

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