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フード・デバイド
デジタル・デバイドならぬフード・デバイドという言葉を見つけた。
食べ物の”格差”によって、健康状態が左右されることを指したものだが、昔からある途上国での食料不足・カロリー不足・栄養不足のことではない。
このフード・デバイドは、所得格差によって”不健康な食生活”を送ることで、成人病や癌などの健康リスクが高くなる状態を指したもの。

週刊朝日に載っていた「船橋洋一の世界ブリーフィング 米国のスーパーサイズ症候群。フード・デバイドが新たな格差問題に」を読むと、フード・デバイドがアメリカでかなり問題になっているのがわかる。
このところ、急にトランス脂肪酸の規制が厳しくなってきた理由の一つなのかもしれない。

以前から、アメリカ人に肥満が多いのは、その食生活(と歩くことが少ない車社会)のせいだと言われているが、特に低所得者に肥満が多いという。
肥満=美食・過食というイメージから、高所得者層に多いのかと思っていたが、高所得者は改善手段として、クリニック、ダイエット、高価な健康食(ローカロリーな日本食、マクロビオティック、オーガニック食品など)など、いくらでも費用をかけることができる。

一方、低所得者は、エンゲル係数が高いため、なるべく安くて空腹を満たしてくれやすい高カロリー・高脂質・高たんぱくな食事になる。
勢い、油いっぱいのフライ、脂肪とたんぱく質だらけのハンバーガーとかの肉類、バターや砂糖いっぱいのデザートとかが多くなる。
サラダや果物も食べてはいるんだろうが、米国人の巨体(人種にもよるが)にエネルギー補給するためには、かなりの高カロリーが必要なので、サラダや果物のウェートは低くなる。
それに、基本のパン食は、バター、砂糖が入ってくるので、米食とは違って、ベースの食品でも脂肪分・糖分は避けられない。

この記事には、「オーガニック食品の価格は、普通の食品に比べて20%から30%高い。」と書いてある。
3割くらいしか高くないのなら、買えないことはないだろうと思わないこともないが、低所得層は買いたくても買えないんだろう。
日本だと、オーガニック食材は倍くらいすることが多い。2~3割アップですめばうらやましいくらい。
やっぱり日本の農産物は高い。それでも、オーガニックは人気があるし、売れているように思う。
ただし、地域によってその流行り方に差があるようには思う。
米国と同じように、日本でもオーガニック食材を買っている層は、それなりの所得層の人が多いような気がする。
農薬拒否、環境問題に関心がある、健康マニアとかが食生活で自分の信条を実践するとなると、高価なオーガニック食材やマクロビ食材を使わないといけない。
結構なコストをかけないと、”体に良い食べ物”にありつくことができない。

東京だと、オーガニック食品店や専門レストランは、西側のエリアに集まっている。都心や巨大駅の周辺や、高級住宅街沿線の駅に多い。
今はインターネット通販や宅配システムが発達しているので、その地域に住んでいなくても、いくらでも手に入る。
多少、不便なこともあるが、アクセシビリティという点では、地域格差は気にする必要はあまりない。

このフード・デバイドは、アメリカだけの現象ではないようだ。
「食から見るブラジル社会」というブログをたまたま見つけたら、アメリカの食生活事情と似たようなものだった。

この前、JASSの「小山道夫 火炎樹日記」を見ていたら、ベトナムだと肥満は(一時成金の)高所得者に多いという。
子供の肥満化がひどいらしい。
これは、発展途上国特有の現象なんだろう。
一般市民は所得が伸びないので、食事も過食するほどには取れないし、欧米型の食生活をする余裕もないので、従来型の食生活のまま。その結果太らない。
一方、収入が増えると贅沢したくなるので、欧米人のライフスタイルを真似て、勢いカロリー過多の肥満が増える。

これは逆フード・デバイドみたいなものだが、それでも、ベトナム人の平均寿命は2005年で71.3歳と、短いというほどではない。
最貧国に分類されるわりには、アジアの中でも寿命が特に短いというわけではない。
最貧国が集中するアフリカは、30歳代、40歳代とかが並ぶ。
2002年のデータだと、アメリカ77.3歳、中国は71.1歳、キューバ77.1歳、ロシア64.8歳など。
キューバも最貧国に入ると思うが、アメリカと同じくらいとは、すごい。
キューバは資源がないが、教育と医療にはかなりのコストをかけているというのを聞いたことがある。
「キューバ人と結婚後キューバで暮らす」というブログに、医療費は、診察・手術は無料。薬だけは処方箋を書いてもらった薬局で購入しなければならないだけだという。キューバ在住者の日本人の情報らしいから、本当のようだ。
キューバの財政事情は苦しいが、というか、苦しいので、予防医療・初期医療をしっかりしておけば、医療費も安くなる、寿命も延びる、という例。

ロシアの64.6歳というのは、アルコール中毒や自殺者が増えているみたいな記事を何度か読んだので、納得してしまった。
それにものすごい肥満体も多いし、他にもいろいろ寿命を縮ませる要因があるんだろう。
日本は81.9歳で世界のトップ。寿命は長ければ長いほど良いというものではないと思うので、別に喜ばしいことでもないが、このまま寿命が延び続けたら、今の年金システムでは破綻するしかない気がする。
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クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

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好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
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