無知というのはオソロシイ『食品の裏側』 

2007, 06. 26 (Tue) 17:31

たまたま寄った本屋さんの棚に、食品の安全性に関する本がズラっと並んでいた。
この時期になぜかわからないが、「食品の裏側」と「体に安全なものの食べ方」という2冊はとても役に立った。

「食品の裏側」は、著者が元食品添加物メーカーのセールスマン。
まさに食品製造業の現場をレポートするかの如く、リアリティがある。
この語り口が嫌いというamazonのレビューもあったけれど、別にプロのルポルタ-ジュを期待しているわけでもないし、現場を熟知している人の文章は、単なる取材よりも説得力がある。

食品の裏側―みんな大好きな食品添加物食品の裏側―みんな大好きな食品添加物
(2005/10)
安部 司

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今は日本の食品製造産業には無くてはならない白い粉。
いろんな添加物(白い粉)をドサっと入れて、廃棄寸前の野菜や、肉とは言いがたい肉の切れ端が、立派な食品になるという魔法。
取り上げられているのは、ハム、ミートボール、漬け物、干物、明太子、コンビに弁当、しょうゆ、みりん、お酒、砂糖、etc.

この本に書かれているような製造方法だと知ったら、普通はそんな食品は買う気が失せるとは思うけれど、安いし便利で美味しいとなると、まあいいかと思って買う人はかなり多いはず。
しかし、メーカー側の人間で製造方法を知っている人、パートのおばさんたちは、そこで何がどうやって作られているかを知っているので、自分たちが作っている製品は買わないという。
メーカーの人間全てがそういうわけでもないだろうけど(添加物を気にもしない人がいるだろうし)、直感的に買いたくないと思うのが自然なのだろう。
いずれにせよ、添加物を使うメーカーが一方的に悪いというわけではなく、安くて便利で美味しいものを求める消費者がいるから成り立つのであって、どっちもどっちというところだろうか。

著者は、食品表示や価格差について、まず疑問を持つこと、という。
なぜ、そんなカタカナのよくわからない化学物質がたくさん入っているのか、なぜおなじ種類の商品でも数倍の価格差があるのか。
そういう素朴な疑問を持てば、食べ物のカラクリに意識が向けられるだろう。
食べ物に手間とヒマとお金を惜しむと、最後は自分に跳ね返ってくるということ。
添加物か有害か無害かというのは、神学論争のように答えはでないが、使っていないに越したことはない。
もし、添加物が着色されて食品に不自然な色がついていたら、誰もそんなものは買わないだろう。
見えない、知らない、というのはコワイ。
実は食品表示だけでも多くの情報が得られるのに、それを見て考えないというのは、買う側の問題でもあるということ。
そもそも、手間ヒマかけるといっても、漬物やドレッシングなんかは簡単に作れるし、他にもほんの少し時間をかければ、自分で作れるものは多い。
その時間を惜しむかどうかが分かれ目になる。

これほど店頭で加工食品が並んでいるのを見ると、家庭で食事を作る人間が、食材や調味料、加工品の中身に無頓着なのではないかという思えてくる。
自分で作れば作るほど、食材には気を使うようになるのではと思うけれど。
特に子供がいる家庭なら、自分のこと以上に食べ物の中身には注意するのが普通だと思うが、意外とそうでもなさそう。
無添加物を買おうとするとエンゲル係数が上がるのは困るという事情もあるし、今や添加物の少ない、加工度の低い食品を口に入れようとすると、高い買い物になるというご時世。

「食品のカラクリ4 体に安全なものの食べ方」は、宝島から出ている食品のカラクリシリーズ。
食品のカラクリ4 体に安全なものの食べ方-農薬・食品添加物を落とす徹底実践法86 (別冊宝島)食品のカラクリ4 体に安全なものの食べ方-農薬・食品添加物を落とす徹底実践法86 (別冊宝島)
(2007/02/02)
不明

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今回は、いかに食品に含まれている農薬や添加物を減らすか、避けるか、というノウハウが書いている。
国産といえど、農薬は使われているし、日本の農薬使用量は、欧米の6-7倍と書いていた。
農薬がどこに大量に使われているかがわからないが、国産といっても、残留農薬は避けられない。
そういう場合は、皮を向く、茹でる、水にさらす、酢水や塩水にさらす、2度揚げする、とか、下ごしらえのテクニックが書いている。
この本は、「食品の裏側」と違って、添加物に対してはそれほど警告調ではない。
絶対避けた方が良い添加物は書いているが、対象としている食品によっては、アミノ酸などのいくつかの添加物に関しては、全然問題ないというケースが多い。
豆腐では、消泡剤のことには一切触れていないし、みりんも本みりんだろうが、みりん風調味料だろうが、気にもしていなかった。
どちらかというと、残留農薬の方にウェートを置いた本なので、添加物の方はちょっと手薄という感じがする。

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