ヴィルヘルム・ケンプ ~ ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ集 

2008, 06. 25 (Wed) 14:29

ベートーヴェンの「悲愴」の第3楽章を練習していて、ピアニストはどういう風に弾くのだろうかとCDを探してみると、「悲愴」はルプーしか持っていないことに気が付いた。
改めてCDラックを確認してみると、ベートーヴェンのソナタはアラウ、グルダとバックハウスがほとんどで、それも曲がばらばら。
同じ曲を聴き比べるのはあまりしないけれど、自分が練習中のこともあって、久しぶりにベートーヴェンのソナタのCDをもう少し集めてみることにした。

早速amazonから届いたケンプのCDは初めて聴くけれど、このベートーヴェンの4大ピアノ・ソナタ集は、どの音楽サイトのレビュも抜群に良い。

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」、第14番「月光」、第21番「ワルトシュタイン」、第23番「熱情」ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」、第14番「月光」、第21番「ワルトシュタイン」、第23番「熱情」
(2001/10/24)
ケンプ(ヴィルヘルム)

商品詳細を見る


ふと思い出したのは、昔ピアノのレッスンで悲愴か月光を練習していたときに、先生がケンプの演奏を聞くようにと、レコードを貸してくれたこと。(この頃はCDはなかった時代なので)
あまりに私が思いいれなく単調に弾くので、ケンプを聴きなさいということだったんだろう。
あの頃は、ケンプを聴いてもその良さがわからなかったし、そもそもレコードを聴くという習慣がなかったので、まさに「猫に小判」。

ケンプの「悲愴」の冒頭数小節を聞くだけで、先生がケンプを聞くようにといったわけがわかったような気がする。
はやることなく少し遅めのまるで語りかけるように、曲を歌わせていくような演奏で、技巧的に目をみはる鋭さはないが、とても詩心が溢れたべートーヴェン。
といっても、感傷的な過剰さは全くなく、あっさりとしたタッチと音色の中に温かみが感じられる。
なぜか人間の心の中にある弱さに訴えかけるピアノだと感じてしまう。
ケンプの弾き方は、今風の技術重視の弾き方ではない上、ミスタッチが多いので、ミスのない演奏を好む人にはあまり向いていない。
それでも、バックハウスと人気を2分していたというから、技術を超えたものを彼のピアノから感じる人が多かったのだろう。

ケンプのピアノは、ベートーヴェンよりもシューベルトの方がずっと似合っているような気がする。
私はシューベルトは相性が合わないので後期ソナタ3曲以外はまず聴かないが、ケンプのベートーヴェンとも相性は全然良くない。
直観的にシューベルトとケンプの音楽に、何かしら合い通じるものを感じるせいだと思う。

タグ:ケンプ ベートーヴェン

※右カラム中段の「タグリスト」でタグ検索できます。

0 Comments

Leave a comment