グルダ 『ノン・ストップ』 

2008, 06. 29 (Sun) 13:42

一応クラシック(中心)のコンサートのCDとはいえ、オーソドックスなクラシックコンサートでは終わらなかったのがこのライブ。

ノン・ストップノン・ストップ
(2004/11/17)
グルダ(フリードリヒ)

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冒頭に、グルダ自作の「フォ・リコ」「メヌエット~チェロ協奏曲より」「アリア」「プレリュードとフーガ」がモーツァルトの「幻想曲」を挟んで、立て続けに演奏されている。
限りなくジャズの香りのするクラシックか、クラシック風のジャズなのかといえば、やっぱりジャズの香りはしても、クラシック曲のように聴こえる。
この境界の線引きには意味はないのだろうが、グルダの正確で力強いタッチと普通のジャズピアニストにはない高い演奏技術で弾かれてしまうと、いつも聴いているジャズピアニストたちの音楽とは根本的に異質な音楽に聴こえてくる。

彼の「フォ・リコ」「メヌエット」「アリア」は、幸福感というポジティブな感情を感じさせるような明るさと美しさがある。
特に「アリア」は透明感、美しさに溢れていて、こんな幸福感を感じさせるる曲は、ラーシュ・ヤンソンの名曲「HOPE」以来。

「プレリュードとフーガ」は明らかにジャズとして作曲されたらしいし、確かにジャズのように聴こえてくるが、ところどころクラシック的なフレーズが出てくるし、何よりグルダが弾くとあたかもクラシック特有の堅牢な構築性を感じてしまう。

そんなことを考えながら聴いていると、なぜかドビュッシューの「ビーニョの門」やショパンの「舟歌」が、いつものドビュッシーやショパンではなく、今度はジャズのように聴こえてきて困ってしまった。

グルダの自作曲以外では、モーツァルトの「幻想曲」とショパンの「舟歌」、シューベルトの「即興曲」が私には良かった。
グルダのタッチ自体に弾力があって音が引き締っているので、どんなに繊細で憂いや透明感に満ちた曲を引いていても、凛とした緊張感を感じさせる。

クラシックをクラシックらしく聴きたい人には向かないが、ジャズを愛したグルダを垣間見るには良いアルバムだと思う。
彼が弾くジャズ自体を聴きたいのなら、何枚かジャズだけのアルバムが出ていて、中でも「Midlife Harvest」が一番まとまっているようだ。
私なら、まだ聴いていないベートーヴェンのコンチェルトとソナタがいくつかあるので、そっちを先に聴きたいけれど。

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