国産小麦30%値上げの不思議 

2008, 06. 30 (Mon) 23:55

朝日新聞のサイトで、国産小麦も09年度産から約30%値上げされるという記事が出ていた。
http://www.asahi.com/business/update/0630/TKY200806300361.html?ref=rss

◆国産小麦の価格設定
政策的に国産小麦の入札基準価格は輸入小麦よりも低めに設定されてきた。
国産小麦は、輸入小麦に比べて生産コストがべらぼうに高く、たんぱく質が少なく品質にばらつきが多いため、パンやうどんを作るにはかなり工夫が必要。
その国産小麦を高値で落札する業者などほとんどいなかったからだろう。
(但し、製粉後の国産小麦の小売価格は輸入小麦よりもはるかに高くなっていた。今は一部のブランドで逆転現象があるが)

最近では、輸入小麦が高くなったので、国産小麦に人気が出ている。
国際価格に連動するはずのない国産小麦まで、卸・小売店での小麦粉価格がじりじりと値上がりしている。
たしか、国産小麦の入札は9月で、入札価格の上昇率にも上限があり、国際価格が高騰しても、国産小麦はそれほど高騰しないようになっている。
それは、価格下落局面でも同じこと。国産小麦の価格は一挙に下がることはない。

◆国産小麦への補助金はどうなる?

個人的には、国産小麦の需要が増えて、入手競走が激しくなっているのだから、値上げするのは別にかまわないと思う。
問題は、国産入札価格の引き上げ分相当分程度は、国産小麦への補助金を減らすかどうかということ。
国産小麦への補助金は、輸入小麦の政府引渡価格に転嫁される仕組みになっている。
国産小麦を政府から買い取った製粉業者⇒卸売・小売⇒消費者へと、輸入小麦粉価格へと転嫁され、最終的に消費者が負担している。
それでなくとも高騰する輸入小麦が、ますます高くなるという悪循環の構造。
それでも毎年数百億円、累積で数千億円の逆ザヤによる赤字が出ているので、国庫から税金を投入して、小麦生産者へ補助金を支給している。


◆国産小麦の補助金を負担している消費者

内外価格差が解消するのは本来喜ぶべき話しなのだろう。
しかし、膨大な補助金を投入して人為的な価格設定をしている国産小麦については、内外価格差の実態がわかりにくくなっている
一部の輸入小麦粉では、国産小麦粉価格を上回るブランドもでているため、今は国産小麦の方が安くなっていると思っている人もいるはず。
しかし、国産小麦の生産コスト自体は輸入小麦価格の数倍かかっている。
その生産コストの数割を輸入小麦製品の購入代金の中かから、まるで税金かのように負担している。
結局、国産小麦を買うというのは、本当は極めて高い買い物をしていることになる。
国産小麦は安全と言われているが、この安全を買うために、いつの間にか多額のコストを消費者が払っていることくらいは、自覚しておいた方が良い。

◆今年秋には輸入小麦が再値上げ
国産小麦は来年の夏から値上げになるらしいが、それよりも高騰する外国産小麦価格の方が、企業と家計にとって深刻な問題。
今年の秋に、輸入小麦の政府引渡価格は、2割かそれ以上の引き上げが不可避のようだ。
小麦粉を使った製品は、また値上げせざるをえないだろうが、今度値上げすれば成り立たない商売がまた増えるに違いない。

食パンをホームベーカリーで焼くのに、国産小麦粉を2.5kgあたり700~800円くらいで買っているが、小麦粉価格が3割上がるとすれば900円くらいにはなりそうだ。(実際には加工品ベースの値上げ率はもう少し下がってくる)
1ヶ月2kg使う場合は、月当たりで200円弱の負担増とたいした金額ではない。
パンは自分で作ればかなり低コストで作れるもの。最近はホームベーカリーが売れているらしい。

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