ポリーニ ~ ベートーヴェン・ブラームス・モーツァルトのピアノ協奏曲集[DVD」 

2008, 07. 09 (Wed) 00:07

このDVDには、ポリーニ、ベームとウィーンフィルによるこのモーツァルトのコンチェルト第23番と第19番、ベートーヴェンのコンチェルト第3番と第5番、それにアバドの指揮によるブラームスのコンチェルト第2番が収録されているというとても贅沢な内容。

ベートーヴェンは、持ち前の力強い打鍵と完璧な技術と造形力を武器に、くっきりと曲の骨格を浮かび上がらせる堂々とした演奏。
音を聴くだけで、ああこれはポリーニが弾いている、とわかる。
この頃は、彼の演奏様式が確立されていて、技術的にも完璧で安定しているので、とても安心して聴くことができる時期だった。

モーツァルトでは、うって変わって、強靭な打鍵を抑えて、軽やか(といってもやっぱり力強いが)で、透明感のある演奏が秀逸。
特に第23番の第2楽章の透明感と気品に溢れたピアノは、何度聴いても(見ても)惚れ惚れする。

ラストのブラームスのコンチェルト第2番は、若かりし頃のアバドが指揮。
個人的には親友同士で、芸術家としては良きパートナーのアバドとポリーニの息が合った白熱の演奏。
この2番のコンチェルトは、難曲の難曲の一つ。
生半可なピアニストは弾かないし、弾けない。
CDでは、難所だらけのこの曲を技術的にスラっと、それもかなり速いテンポでほとんどミス無く弾ききっている(ミスがあってもそれを感じさせるほどのものはないだろうし)。
DVDでは、鍵盤の端から端まで、汗だくになって、渾身の力を込めて弾く彼の姿がとても美しい。
やっぱりこの曲は、普通のピアニストでは弾けないと実感してしまった。

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(2005/11/15)
PolliniBeethoven

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ベームはポリーニのピアノで、いくつか協奏曲を録音する計画だった。
ベートーヴェンの協奏曲全集、ブラームスの第1番・第2番、モーツァルトの後期協奏曲集など。
結局、ベートーヴェンの第3・4・5番、ブラームスの第1番コンチェルト、モーツァルトはこの第23・19番のみが無事録音できたが、ベームが1981年に亡くなったため、ベートーヴェンの協奏曲はヨッフムの指揮で全集を完成させた。
晩年のベームは、なぜかこの若い天才ピアニストと演奏することを好んでいたという。彼のピアノの中に一体何を見出したのか。
ポリーニにとっても、ベームの指揮による演奏は、とても心に残るものがあったに違いない。
ベームが死去して数日後、追悼リサイタルを行ったポリーニが、ベームへの追悼の意を表すために弾いたのはモーツァルトの「アダージョ ロ短調」。
また、ザルツブルグ音楽祭のさなか、ベームの故郷オーストリア・グラーツで行われた葬儀に、ポリーニも参列した。

(参考URL)http://homepage3.nifty.com/mahdes/pkb.htm

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