ゼルキン、ギレリス ~ ブラームス/ピアノ協奏曲第1番&第2番 

2008, 08. 02 (Sat) 01:35

HMVで注文していたブラームスのピアノコンチェルト第1番&第2番のCDがようやく届いた。
今回は、ギレリス&ヨッフム・ウィーンフィルとゼルキン&セル・クリーブランドフィルのCD。
いずれもブラームスのピアノコンチェルトでは名盤と言われているもの。
ブラームスのコンチェルトが好きとは言え、これで10枚は超えているような気がする。

CDラックを探すと、バックハウス、アラウが2種類(指揮はジュリーニ、ハイティング)、ツィメルマンも2種類(指揮はバーンスタイン、ラトル[NO.1のみ])、ポリーニも2種類(ベーム、アバド[旧録+新録])、ゲルバー(これはまだ聞いていないはず)。
初めて聞いていらいベストだと思っていたのはツィメルマン&バーンスタインの演奏。
若かりし時に、これだけ技術的に完璧で美しい音色と叙情性豊かなピアノを弾いているのはツィメルマンくらいかも。
彼にとっては不満の残る録音環境だったようだが(ライブ録音だった、予定したピアノが届かずに別にピアノ(音色がモーツァルト向き)で弾いた、とか)、それでこれだけ弾けるとは凄いものです。
ポリーニは30~40歳代の時の演奏の方が、技術的な完璧さをベースに緊張感・造形力・研ぎ澄まされた透明感があって良い。機械的だとか、情緒がないとかいろいろ悪評はあるが、それでも彼のピアニズムが貫徹した演奏。
アラウはさすがにどれも貫禄で聴かせるが、ジュリーニと組んだ1番が白熱感とスピード感があって良いかも。録音はハイティングとの時の方がいいけど。


Brahms: Die KlavierkonzerteBrahms: Die Klavierkonzerte
(1996/09/17)
Berliner PhilharmonikerEmil Grigoryevich Gilels

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ギレリスは、1番は弾きこなれていないような感じでもうひとつ。録音するのは初めてだったらしい。
以前に録音したこともある2番は余裕のある弾きぶり。インテンポで、太くて重い低音が響き、堅牢な構築物といった感じで、音に厚みがある。
鋼鉄のピアニストとは言われていても、彼は細部の表現力もかなりあるので、叙情的かどうかといわれれば、ポリーニよりは各段に上。
この曲はイタリア旅行中に着想したといわれているので、第4楽章は陽光あふれたイタリアのごとく、軽やかさと明るさがもう少し欲しい気がする。
演奏自体は文句なしに良いが、音質が重い方なのでずっと聴いているとちょっと疲れるかも。


Brahms: Piano Concertos 1 & 2Brahms: Piano Concertos 1 & 2
(2002/06/03)
Johannes Brahms、

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ゼルキンは、今まで何度聴いてもあまりよくわからないピアノだったが、ブラームスのコンチェルトを聴いて、彼の独特の弾むようなリズム感と細かなテンポのゆれが明瞭で、ベートーヴェンのソナタもこんな感じのピアノだったとようやく納得。
ブラームスのコンチェルトは、今まで聞いてきたピアニストとはまったく違う弾き方で、これが意外に面白かった。
1番はわりとあっさりした弾き方で、1番にしては感情的な揺れを抑制したような感じ。悪くはないが若干物足りなさが残らないでもない。
彼は2番が好きらしく、以前もオーマンディ&フィラデルフィアフィルと録音している。
どちらかというと重層的な音の響きをきかせるのではなく、疾走する音の流れを追っているようで、若干クリスピーなコロコロとした感じの音が軽やかで若々しく楽しげ。
思わずギャロップしたくなるようなリズム感が楽しい。音質が重くなく、線が細いので、聴いていても疲れない。
なぜか彼は他のピアニストに比べてかなり速く弾いている。演奏時間が4-5分くらい短い。
スピード感のあるポリーニといい勝負で、2番なんか彼よりも速い。
そういえばベートーヴェンのソナタも概して速かった。
それに彼は時として急き込むように速くなる独特のクセがある。
一般的には構造的で端正なピアノと言われるが、私には主観的な表現があちこちで突発的に発露するタイプのピアノだと感じる。

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