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バッハ/平均律クラヴィーア曲集第1巻
バッハの平均律といえば、ピアノ学習者には必須の曲。ピアノの旧約聖書と呼ばれているくらいだし。私は新約聖書のベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集の方が好きなんだけど。
中学か高校時代、先生に平均律を練習したらと進められたが、あまりピアノの練習に熱心でなかった頃だったので、結局平均律はほとんど手をつけず。インベンションを弾いていて、バッハはどうも苦手と思ったせいもある。
それに、初めて聴いたグルダの平均律もおかげで、余計にわけがわからなくなってしまったこともかなり響いている。
どういう心境の変化か、今頃になって平均律を弾きたくなった。
多分、ベートーヴェンの31番のピアノ・ソナタのフーガがあまりに素晴らしくて、弾いていてもフーガはなんて楽しいんだと思ったからか。
事前学習で平均律のCDを聴こうとして調べたら、人気があるのはグールドとリヒテル盤。
グールドのゴルドベルクを聴いて、ノンレガートの弾き方は合わなかった。他に何枚がCDを買ったが、やはりグールドを繰り返して聴こうとは思わない。

リヒテルは、信者の思い込み過剰な賛辞はあてにならないが、それでも、ザルツブルクのクレスハイム宮殿で録音した「平均律クラヴィア曲集」は、好き嫌いは別として、評価が高いだけのことはあると思える内容。
リヒテルのロマン派的なバッハは違和感があるし、乱暴な強打やブツブツと音を断ち切るタッチがあちこちで聴き取れる。
演奏自体にひっかかるところが多く、う~んと思ってしまうが、それを補ってあまりあるほどこのクレスハイム宮殿の残響効果が素晴らしい。
宮殿の残響のおかげで欠点がカバーされた上に、まるで教会か大聖堂でバッハを聞いているかのような荘厳で大伽藍を思わせる構築性を感じてしまう。
もし、これが普通のスタジオで録音した演奏なら、リヒテルの平均律は違った風に聴こえていただろう。
リヒテル本人は残響の多さに不満をもっていたらしいが...。

バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻(全曲)バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻(全曲)
(2007/11/07)
リヒテル(スヴャトスラフ)

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日本ではあまり評判にならないアンドラーシュ・シフの「平均律クラヴィーア曲集」。
彼のタッチは繊細だが、ロマン派的な感情表現に走らず、それでいて曲のいろんな表情がくるくると浮かんでくる。音の流れも滑らかで、響きが長すぎず短すぎず、リヒテルやグールドのような強烈な個性はないが、曲に寄り添って弾いているかのようで、安心して聴ける。ただし、チェンバロ奏法をピアノで聴かされているような気がするのが私には難点。
リヒテルの平均律を聴いていると、バッハを聴くというより、リヒテルを聴いている気がして疲れてくるが、シフの平均律は演奏者と作曲者のバランスがちょうどよい。
でも、両方とも繰り返し聴きたいかというと、やっぱりちょっと違う。平均律とはこういう曲なのだと自分でしっかりとしたイメージを作るには、もっといろんな録音を聴いてみないと。

バッハ : 平均律クラヴィーア曲集 第1巻バッハ : 平均律クラヴィーア曲集 第1巻
(1997/10/25)
シフ(アンドラーシュ)

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tag : バッハ リヒテル シフ

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Author:yoshimi
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クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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