ミケランジェリ ~ ワルシャワ・ライブ 

2008, 09. 30 (Tue) 17:17

ミケランジェリのワルシャワライブは、病気で静養してからカムバックした直後の録音。
ちょうど、ショパンコンクールの審査員としてワルシャワを訪れた時に、一連のコンサートを行っている。
収録曲は、シューマンのピアノコンチェルト、十八番のブラームスのパガニーニバリエーション、バッハ=ブゾーニ編曲のシャコンヌ、と贅沢なカップリング。

このAltaraレーベルのライブ録音は、1955年という今から50年以上も昔のライブにしては、驚くほど録音状態が良い。
リサイタルのソロの方が音質がよく、コンチェルトはそれに比べると悪いが、それでも十分鑑賞に耐えるレベル。
これは、録音元(ワルシャワ放送かどこか)の蔵出しテープを使って、リマスタリングしたおかげ。
ただし、ホールのあちこちでコホコホと咳が聞こえる(特にシューマンのコンチェルト)のは、ライブならではと思って、あきらめましょう。
ピアノソロをEMIの録音と比べると、やや音がこもり気味のような感じで若干低めに聞こえるが、CD自体の音質はこちらの方が良い。

完璧主義者と知られる彼にしては珍しく、ところどころミスタッチがあるが、この頃はそれほど技術的にパーフェクトな演奏を身上としていたわけではないのかもしれない。
なによりも、後年グラモフォンに録音した”氷の巨匠”の一連の演奏よりも、テンポを揺らして感情がこもった熱気が感じられる弾き方。

シューマンのコンチェルトは、オケの音は悪いが、ミケランジェリのピアノにはとても詩情が感じられる。
リヒテルは、ミケランジェリのピアニズムに否定的だったが、リヒテルのコンチェルト(マタチッチ指揮)と聞き比べてみると、ミケランジェリの演奏の方がはるかにシューマン的な抒情が感じられると思うけれど。

なにせカムバックしてから初のステージだった上、コンクールの審査員がレベルの低い演奏などできないだろうから、ミケランジェリもかなり気合を入れて弾いたんじゃないだろうか。
このCDのジャケット写真は、とても明るい表情のミケランジェリ。気難しい顔をした写真が多いので、これはちょっと珍しい。
(よく見ると、スポットライトが顔にあたって白く浮き上がって、病み上がりの幽霊みたい..

青柳いづみこさんの著書「ピアニストが見たピアニスト」でも、このワルシャワライブの様子が書かれている。

Arturo Benedetti Michelangeli: Live in Warsaw 1955Arturo Benedetti Michelangeli: Live in Warsaw 1955
(2006/10/24)
Johannes Brahms、

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ソロリサイタルを収めたCDがもう1枚発売されていて、この2枚が当時のライブ録音になるようだ。
収録曲は
 -スカルラッティのソナタ(ハ短調 Kk.11 / ニ短調 Kk.9 / イ長調 Kk.322 / ロ短調 Kk.27)
 -ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第3番ハ長調 Op.2-3
 -ショパン:ワルツ第14番
 -シューマン:ウィーンの謝肉祭の道化
 -ドビュッシー:ラモーを讃えて
 -モンポウ:歌と踊り第1番

Arturo Benedetti Michelangeli: The Warsaw Recital, 1955Arturo Benedetti Michelangeli: The Warsaw Recital, 1955
(2006/04/10)
Ludwig van Beethoven、

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同じワルシャワライブを2CDで1セットにしたも安い盤が、Idisというレーベルから売られている。
これは録音状態がすこぶる悪いと評判なので、買わない方が良い。

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