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松本大輔『クラシックは死なない!』 『それでもクラシックは死なない!』
クラシック好きの人が読むと、絶対に欲しいCDが見つかるクラシックCDの紹介本。
著者は、会員制CDショップ「アリアCD」の店主・松本大輔氏。
知る人ぞ知る輸入盤の名盤・稀少盤・奇盤・珍盤CDを店主の解説・ジャケット写真付きで紹介しているが、その紹介文はクラシックCDを愛聴する人が知りたいツボをうまく押さえている。
当然商売気はあるのだろうが、それ以上にクラシック音楽を愛する気持ちがひしひしと感じられて、下手な評論家のあてにもならない推薦文を読むよりも、よっぽど面白い。

クラシックは死なない!―あなたの知らない新名盤クラシックは死なない!―あなたの知らない新名盤
(2003/11)
松本 大輔

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それでもクラシックは死なない!それでもクラシックは死なない!
(2006/11)
松本 大輔

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この本は全体的にオーケストラ作品の紹介が多いが、1冊目はピアニストがかなり多く登場する。ハンゼン、カッチェンなど数ページにも紹介している。
ピアノが入ったCDをもっぱら集めているので、1冊目はかなり誘惑が多い。
続編の「それでも・・・・」の方は、ピアニストが少ないので大分マシ。
これがピアノ曲のオンパレードだったら、欲しいCDが大量に増えて、その後のリアクションが想像できてコワイ。

私がオーダーしたばかりのルドルフ・ゼルキン/クーベリック指揮バイエルン放送交響楽団のベートーヴェン・ピアノ協奏曲のライブ録音についても書かれている。
このCDセットは、ゼルキンの1977年のライブ録音、それもベートーヴェンのコンチェルトが聴けるという大変貴重なもの。
実は、松本氏が顧客からリクエストされて、ORFEOへCD化のお願いメールを直接送ったことから、リリースが実現したという、まるでウソのような本当のお話。
ゼルキンのライブ録音はそう多くは出回っていないので、彼らの行動力に感謝しなければ。

バックハウスが1969年に行った最後のリサイタルのライブCDは今は入手困難だが、そのリサイタルの様子が書かれている。
バックハウスはすでに前々日のリサイタルでも調子が悪く、この最後のリサイタルでは、ベートーヴェンの葬送ソナタを弾いている時に気分が悪くなって中断。
一度ステージから下がってから、再びシューマンの幻想小曲集を弾き、最後の曲を演奏した後に倒れたという。
これを知ると聴いてみたい気はするけれど、最後のリサイタルになることを知っていると、聴いていて痛々しい気がするだろう。

ジュリアス・カッチェン。名前は知っていたが、聴いたことはないピアニスト。
ブラームスのパガニーニバリエーションは、試聴ファイルの冒頭を少し聴いただけで、凄い演奏だとわかる。ミケランジェリよりも強靭で、それでいてロマンティック。
他にも、ベートーヴェンの協奏曲全集にディアベリ変奏曲にピアノ・ソナタ第32番、ブラームスのコンチェルトやピアノ曲など。
肺がんのため42歳で急逝したピアニストだが、それにしては協奏曲の大曲を含めてかなりの録音が残っている。
いずれ全部聴かないといけなくなる予感がする。

他にも聴きたいピアノ曲のCDを見つけたが、廃盤になっているのか、入手できないのもある。
フランク・ブラレイはフランス人のピアニスト。
知的で洒落たピアノを弾く人らしく、解説文を読んですぐに聴きたくなった。
彼の3枚目のベートーヴェンのピアノ・ソナタ集のCDはすでに廃盤。USEDでないと入手できないが、結構な値段がついている。
こんなに面白いディスクがどうして廃盤なの?と思うが、ちょっとベートーヴェン演奏の定型からははずれ気味なので、売れなかったんだろう。
(後で全曲聴いてみたら、年代物のスタインウェイを使っていて、かなりクラシックを聴き込んでいる人なら面白いと思うかもしれないCDだった。一般受けしなかったんだと思う)

結局、日本のituneストアで見つけて、苦手の月光ソナタの第3楽章を試聴してみると、これがとても洒落た曲に聴こえてくる。
すぐにダウンロードし、CD-RWでディスクを作って、ステレオで聴いている。

ituneは廃盤になったCDが結構見つかるので、全く役に立つサービスである。
moraは、クラシックに関してはダウンロードできる曲がほとんどなく、全然使いものにならない。
SONYのデジタルウォークマンを愛用しているが、ソフト面ではアップルがはるかに優秀。
ituneやmoraでダウンロードした著作権保護処理がされている音楽ファイルは、パソコンを交換したりするとファイルが認識されなくなるらしく、必ずCDにバックアップしておいた方が良い。
それに、ituneで買った音楽ファイルをCDにコピーしようとすると、なぜか雑音が入るようになってしまった。昔は綺麗にコピーできていたので、多分パソコンとの相性が悪いかなにかの個人的なハード条件のためで、普通はちゃんとコピーできるはずです、今は出来るかぎりCDを購入するか、HMVでダウンロードすることにしている。

最近隠れた人気のあるヨウラ・ギュラーも載っていたが、ベートーヴェンのピアノ・ソナタの録音については詳しくない。
日本のフジ子・ヘミングのような存在かもしれないが、晩年に発掘されたピアニストというのは、伝説というスパイスがかかっているので、どうも怪しいところがあるような気がしてしまう。
輸入盤は入手可能だが、試聴ファイルで聴いてみてから...と思って探したけれど、HMVでもituneでも試聴ファイルはなし。

じっくり読めば読むほど、聴きたいCDが増えてくるのは間違いない本当に危険な本。
ただしこの本で紹介されているCDは、入手困難なCDが多い。
いくら聴きたくても入手できなければ、あきらめるしかないのが、唯一の救いというべきか。

tag : カッチェン ブラレイ バックハウス 伝記・評論

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プロフィール

yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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