小曽根真のデビューアルバム 『OZONE』 

2008, 11. 14 (Fri) 20:22

小曽根真のデビューアルバム「OZONE」。廃盤になっていたが、また再リリースされて、入手できるようになった。カセットテープで録音したものしか持っていなかったので、すぐに購入した思い出のあるアルバム。

1984年の発売当時、このアルバムを聞いた時、テクニックがすばらしく冴え、旋律もオリジナリティ溢れる洗練された都会的な音楽で、とても新鮮だった。
普通のトリオのフォーマットではなく、ヴィブラフォンのゲーリー・バートンとベーシストのエディ・ゴメスという組み合わせが良かった。
ヴィブラフォンとピアノの音色がとてもマッチしていて、音楽がきらきらと煌き、瑞々しさが満ち溢れていた。
ジャズといえば、スタンダードジャズのイメージしかなく、好きな音楽ではなかったが、この「OZONE」を聴いてモダンジャズというジャンルがあるのをようやく知り、それ以来、「AFTER」をはじめとする小曽根真のアルバムを揃えるようになった。

OzoneOzone
(2007/09/05)
小曽根真

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アフターアフター
(2007/09/05)
小曽根真

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「BRAKEOUT」などのヒットを飛ばすようになり、彼の認知度が高まったことは嬉しかったが、たしか「So Many Colors」あたりから、彼の音楽が変わったように感じた。
おそらく彼が結婚した頃だったと思う。
以前の挑戦者のような気負いや新しいものを生み出そうとする情熱と緊張感に代わり、幸福感に包まれた明るくなじみやすい、個人的な感情を表現したパーソナルな音楽へと向かっていったように思う。
その後何枚かアルバムを買ったが、やはりかつての彼の音楽は聴こえてこなかったので、今は彼の音楽を聴くことはない。

最近では、小曽根真の関心はクラシックへと向かっているようだ。
何かの雑誌で、クラシックの方がジャズよりも自由に弾けるとかいう趣旨のことを言っていた。
ジャズはコード進行に縛られると聞いた事がある。よくはわからないが、自由な音楽を求めるのであれば、フリージャズの世界へ向うようだ。
彼はそちらへは行かず、クラシックの世界へと向かった。

元々彼はクラシックピアノを習っていたが、バイエルあたりの練習で挫折したらしい。バイエルが嫌になるのはよくある話。まだ今でも音楽教室では、バイエルで教えているんだろうか。
クラシックは譜面の解釈においては、かなりの自由さがあるし(それが許容されるかは別として)、同じ曲を弾いても100人のピアニストがいれば、100通りの弾き方ができる。
クラシックの世界では、コンサートで即興演奏をすることはほとんどないが、楽譜に記されている書法の多用さ、構造の複雑さ、解釈の多義性はジャズを上回るものがある(ジャズでも難解な作品はないことはないが)。
彼ほどの作曲の才能と優れたテクニックがあれば、クラシックの世界でピアノを弾く手ごたえは十分のはず。

すでに、小曽根真はガーシュインのピアノコンチェルトや、ラプソディ・イン・ブルーを日本のオーケストラと演奏しているそうだ。
モーツァルトのコンチェルトやバーンスタインが作曲した曲も弾いているらしい。
彼の弾くモーツァルトはあまり聴きたいとも思わないが(なぜか、キース・ジャレットもチック・コリアもモーツァルトを弾いていた)、アメリカ現代音楽のバーンスタインやガーシュインなら、ジャズとクラシックが融合された面白い演奏になりそう。
ジャズピアニストではなくて、クラシックピアニストとしての小曽根真の演奏なら、聴いてみたいと思う。

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