吉松隆「4つの小さな夢の歌」 

2008, 11. 30 (Sun) 15:12

吉松隆のとても愛らしく美しいピアノ曲「4つの小さな夢の歌」。
現代音楽作曲家が作曲したとは思えない調性音楽。これほど美しい音楽を書ける現代音楽の作曲家は、ジョン・ラターを除いてそうそういないだろう。

新進ピアニストの内藤晃さんが、この曲を全曲録音して、ピティナ・ピアノのホームページで公開している。

 春:5月の夢の歌
     本当に夢の見るような愛らしさ。
 夏:8月の歪んだワルツ
     どこなくサティを感じさせる。だから「歪んだワルツ」というタイトルがついているのかも。
 秋:11月の夢の歌
     さらっとした哀感が流れている。11月という晩秋の寂しさがあるせいか...。
 冬:子守唄
     どこかしら懐かしさを感じる旋律。

内藤さんの演奏は、吉松隆が曲に託したイメージを良く伝えている。
彼のピアノの音色は、透明感はあるが、それ以上に暖かみ、柔らかさ、優しさがある。
とても詩情溢れる演奏で、この曲の雰囲気を良くとらえて、いろいろな音色とニュアンスで表現している。
彼が録音している曲を見ると、弾く人間の感受性が問われるような、叙情豊かだけれど洗練された繊細さのある曲を好むピアニストのような気がする。

彼のことは、カッチェンについて調べているうちに知ったピアニスト。
とてもカッチェンのことを尊敬していて、彼がカッチェンについて書いている文章には、敬愛の念が込められているのがよくわかる。
彼はカッチェンの弱音の優しさの魅力を語っていたけれど、彼の弱音も本当に暖かくて優しさのある響きをしている。

内藤さんのホームページはこちら

彼のデビューアルバムは「Primavera」。
このCDを紹介している記事はこちら
曲目は、スカルラッティ、モーツァルト、モンポウ、フォーレ、スクリャービン、メトネル、ショパンと、古典から現代までバラエティに富んでいるが、たぶん彼が愛奏する曲ばかりを収録したのだろう。
メトネルの「春」は全曲が、こちらで試聴できる。
爽やかな春の薫りが湧き立ってくるようなきりっとしたダイナミックな演奏だった。

ピアノはベヒシュタイン。試聴したときのベヒシュタインの音色は、スタインウェイのような金属的な煌びやかさはないが、木質感のある落ち着いた柔らかい響き。品のある音色がとても美しい。

PrimaveraPrimavera
(2008/03/26)
内藤晃

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