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ルドルフ・ゼルキン ~バッハ/カプリッチョ 《最愛の兄の旅立ちに寄せて》変ロ長調BWV992
ルドルフ・ゼルキンのバッハのピアノ曲の録音はそう多くはない。ライブ録音が多くて、弾いている曲も限られている。レパートリーを広げずに、特定の曲を繰り返し弾くこんでいくゼルキンらしい。

ゼルキンのバッハ曲集は1枚のみ。収録曲は、
「ゴルドベルク変奏曲」(アリアのみ)(1976年スタジオ録音)
「半音階的幻想曲とフーガ」と「イタリア協奏曲」(いずれも1950年プラド音楽祭のライブ録音)
「カプリッチョ 《最愛の兄の旅立ちに寄せて》」変ロ長調BWV992」(1957年スタジオ録音)
「ブランデンブルグ協奏曲第5番BMW1050」(1964年スタジオ録音)

Bach: Chromatic Fantasy; Italian Concerto; Goldberg Variations (Aria)Bach: Chromatic Fantasy; Italian Concerto; Goldberg Variations (Aria)
(2003/09/30)
Johann Sebastian Bach、

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ゴルトベルク変奏曲はアリアしか収録されていないが、とても穏やかだけどどことなく毅然としたところのあるアリア。
ゼルキンは死の間際、ベットでゴルトベルク変奏曲を弾こうと指を動かしていたという。しかし、それは17変奏で止まってしまったのだった。

ブランデンブルグ協奏曲は若かりし頃にアドルフ・ブッシュたちと演奏した曲。ここで収録されているのは後にカザルスたちと演奏した録音である。
この第5番は、いつ聴いても明るくて格調がある。プーランクの音楽のように、日曜日の朝にのんびりと聴くのにとてもよい曲です。


このほかに、バッハが収録されているのは、いずれもライブ録音集。
「フランス組曲第5番」は、1949年米国議会図書館のコンサートで演奏したもの。
洋書のゼルキンの伝記の付属CDとしてついているので、この本を買わないかぎり入手できない。
音質は滅茶苦茶に悪いが、ゼルキンの弾くピアノの優しさと暖かみがひしひしと伝わってくる。


「カプリッチョ」ホ長調 BWV993は、BBD Legendsのベートーヴェン、レーガーとのカップリング。1973年のライブ録音である。

Rudolf Serkin performs Bach, Reger & BeethovenRudolf Serkin performs Bach, Reger & Beethoven
(2006/04/18)
Johann Sebastian Bach、

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「カプリッチョ 《最愛の兄の旅立ちに寄せて》」変ロ長調BWV992は、スイス・ルガーノの1957年のライブ録音。モノラル録音だが音質は非常に良い。プエルトリコでのスタジオ録音もしている曲で、バッハ曲集に収録されている。この曲は人気があるようで、レオン・フライシャーやリヒテル(たぶん)も録音している。
このライブのゼルキンのピアノも、フランス組曲と同じように優しく語りかけてくる。

Beethoven: Piano Sonata No. 23 in F minor Op. 57 Beethoven: Piano Sonata No. 23 in F minor Op. 57 "Appassionata"; Brahms: Händel Variations Op. 24 and others
(2007/03/27)
Johann Sebastian Bach、

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「最愛の兄の旅立ちに寄せて」は、1704年頃バッハが19歳の時に作曲した。
次兄ヨハン・ヤーコプがスウェーデン王の軍楽隊員として旅立つ時の様子を描いたもの。
両親を早くに亡くしたバッハは長兄とこの次兄とともに生活していたというから、兄の旅立ちが心に強く残ったのだろう。

カプリッチョ 《最愛の兄の旅立ちに寄せて》変ロ長調 BWV992
第1曲: アリオーソ〈旅を思いとどまらせようとする友人たちの優しい言葉〉/アダージョ
<優しい言葉>というタイトルの通り、とても優しげな旋律。バッハを優しく弾くゼルキンのピアノには、いつも暖かみと思いやりのあるような音色と響きがしている。

第2曲: 〈異国で起こりうるさまざまなできごとへのいましめ〉/アンダンテ
やや厳しさのある旋律。暗い旋律ばかりではないが、力強い和音が多くて、いろいろな困難を想像させるところがある。

第3曲: 〈友人たちの嘆き〉/アダージッシモ
ゆったりとした短調の曲。大きな声で嘆く風ではなく、切々とした悲痛を静かに嘆いている。
淡々として弾いているので、かえって抑制の聴いた悲嘆の気持ちが滲んでいる。

第4曲: 〈友人たちは集まり、別れを告げる〉
力強くファンファーレで始まる。と思ったら、11小節しかない曲なので、あっけなく終わってしまった。

第5曲: <御者のアリア>
明るめの力強い和音で始まる。その次に出てくる右手高音部が打ち鳴らす旋律が印象的。
まるで旅立ちを知らせる鐘を打ち鳴らしているかのようだ。
その旋律が入れ替わり立ち代り、右手高音部や左手低音部に現われてくる。やや陽気さがありはするが、少し、悲しげな表情も一瞬見せている。

第6曲: <御者のラッパを模倣したフーガ>
テンポの速い元気なフーガ。明るい色調の旋律で、旅立ち特有の爽やかさがある。
ゼルキンのピアノはとても軽快で小気味良いリズム感がある。

この曲は全部で6曲から構成されているが、リーフレットには作品名しか書かれていなかったので、各曲のタイトルがあるとは気づかなかった。
初めはピアノの音だけ聴いていたが、タイトルを知ってから聴くと、どんな場面を描いているのかがわかって、楽曲解説は事前に調べておくに限る。

tag : ゼルキン バッハ

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好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

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