アップショウ 『White Moon:Songs To Morpheus』より ~ ヴィラ=ロボス/ブラジル風バッハ第5番「アリア」 

2009, 06. 04 (Thu) 20:25

ブラジルの作曲家ヴィラ=ロボスの代表作「ブラジル風バッハ(Bachianas Brasileiras)」で最も有名な曲は第5番のアリア。
ブラジル風バッハは全部で9曲あるが、それぞれ楽器編成が違うので、一部だけ抜粋した録音が多い。
その中でも5番は特に有名で、ソプラノとチェロ用に作曲されたが、ギター伴奏版(村治香織も録音している)もある。

この曲を初めて聴いたのは、ドーン・アップショウのアルバム『White Moon:Songs To Morpheus』。”Morpheus(モルペウス)”とは、ギリシア・ローマ神話に出てくる夢・眠りの神。
アップショウは、随分昔に流行った(10年以上は前かも)グレツキの『悲歌のシンフォニー』でソプラノ独唱をして有名になった歌手。(そういえば、最近グレツキの名前を聞かなくなった気がする。)

アップショウの柔らかくて透明感があり、どこかしら悲しげな雰囲気の漂う歌声が、このアリアの哀愁をおびた旋律によくマッチしている。
”ブラジル風”のバッハかどうかはともかく、この曲を一度聴いたら、その旋律を忘れることはなかなかできないほど、エキゾチックな薫り漂う美しい曲です。

White Moon: Songs To MorpheusWhite Moon: Songs To Morpheus
(1996/02/27)
D.upshaw

試聴する(HMV)

※HMVの試聴ファイルの曲名の記載が間違ってます。 最後の「12.White Moon」は、実は3曲目の直後、4曲目の試聴ファイルの曲です。以下、順番が1つづつずれて、最後はパーセルの曲の試聴ファイルです。ダウランドとヴィラ=ロボスの曲を知っている人なら、曲目の記載と実際の試聴ファイルがずれているのがすぐにわかると思います。(2009.6.4現在。これ以降に、訂正されているかもしれません)

このアルバムのテーマは”夜・月・眠り”。
アルバムには紙製ケースの外装がついていて、テーマを表現したジャケットイラストがとても可愛い。

収録曲は、古いところでは、ヘンデル、ダウランド、パーセル、モンテヴェルディ。
新しいところでは、ウォーロック、シーガー、シュワントナー、ヴィラ=ロボス、クラム。
このアルバムの良いところは、現代ものが多くて、作風もバラエティがあること。
アップショウの歌声がとても好きなので、かなりアルバムを集めている。彼女は現代物や米国の作曲家の作品をよく取り上げていて、他の歌手(オッターを除いて)よりも個性的なアルバムが多い。

古楽ものは旋律が美しくて当然だけれど、現代の作曲家の曲でも、ウォーロック、シュワントナー、ヴィラ=ロボスはとてもロマンティック。
シーガーの「ホワイト・ムーン」になると、無調の現代音楽的ではあるけれど、和声自体はそれほど不協和的ではなく綺麗なので、多少現代音楽を聴いている人なら、さほど抵抗なく聴ける。
クラムの「4つの月の夜」は、シェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」ばりの曲で、これはちょっと不気味な雰囲気が漂っている。度々聴きたいとは思わないにしても、結構面白い曲だと思う。

<収録曲>(CDジャケットの記載順)
1. 眠り (ウォーロック)
2. 歌劇「アスチェステ」~やさしいモルペウス (ヘンデル)
3. 同「ポッペアの戴冠」~やさしい忘却 (モンテヴェルディ)
4. ホワイト・ムーン (シーガー)
5. 黒いアネモネ (シュワントナー)
6. もう泣くな,悲しい泉 (ダウランド)
7. バッキアーナス・ブラジレイラス第5番~アリア (ヴィラ=ロボス)
8. 4つの月の夜 (クラム)
9. 歌劇「妖精の女王」~見よ夜までが (パーセル)

タグ:アップショウ ヴィラ=ロボス

※右カラム中段の「タグリスト」でタグ検索できます。

0 Comments

Leave a comment