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ナクソス・ミュージック・ライブラリ
元旦早々にナクソス・ミュージック・ライブラリ(NML)に入会。
以前から気になるサービスだったので、最近いろいろと試聴してみると、これがかなり使える。これなら、全曲が聴ける会員登録をしても良さそうだった。

NMには、NAXOSファミリーはもちろん、Music & Artsなどの歴史的音源に強いレーベルや、BIS、CHANDOS、ハンガリーもので定評のあるHungarotonなど個性的なレーベルも参加している。(当然のことながら、ほとんどのメジャーレーベルは参加していない。)

近現代音楽やマイナーレーベルのCDがかなり登録されていて、聴いたことのない作曲家や作品、聴きたかったけれど後回しになっていた作曲家の曲が膨大にある。
今年は近現代音楽や、英国・米国・東欧・ロシアの音楽を多く聴こうと思っていたところ。
特にマイナー作曲家の近現代ものはメジャーレーベルではあまり録音されていないので、NMLはかなり役に立つと思う。

近現代曲でも、好きな演奏家が録音しているCDが登録されていることがあるし、歴史的音源も1950年代のそれほど古くないものもある。
メジャーレーベルに録音している演奏家のCDは少ないけれど、それでも入手予定のCDのいくつかが登録されていた。録音年も比較的新しいので音質もかなり良い。
まめに探せばかなりの掘り出し物が見つかるに違いない。

ラウタヴァーラ:ピアノ協奏曲第3番、秋の庭 (1998年,1999年) (ピアノ:アシュケナージ)
ピアノ協奏曲第3番は、アシュケーナージの珍しい現代音楽の録音。これはラウタヴァーラが、弾き振りをするアシュケナージのために作曲したもの。美しく静かな抒情と荒らしい激情が渦巻く曲。聴いていて面白い曲だと思う。第1番と第2番のコンチェルトも聴いてみる気になった。「秋の庭」も旋律とオーケストラの多層的な響きが美しい。

ガーシュイン/ラベル:ピアノ協奏曲 (ピアノ:パスカル・ロジェ)(2004年)
ロジェが弾くガーシュウィンは、クラシック音楽としてのガーシュイン。指揮者は1965年生まれのフランスの指揮者ベルトラン・ド・ビリーとウィーン放送交響楽団。アンニュイな雰囲気よりも、華麗で力強さのある堂々とした演奏。カッチェン&マントヴァーニの演奏とは違って、ジャジーな雰囲気は希薄だけれど、音色や響きが多彩で煌びやかな輝きがある。ガーシュウィンだからといって、変に崩さないところがかえって良いと思う。

ドビュッシュー:ピアノ曲集 (ピアノ:パスカル・ロジェ)(2004年)
ロジェのドビュッシーの最新録音。再録した曲もあり、昔よりもさらに磨きがかかった音色と響きに繊細な表現が堪能できる限りなく美しい演奏。

ベートーヴェン:ディアベリ変奏曲、ピアノ・ソナタ第30番(1954年プラド音楽祭ライブ)(ピアノ:ルドルフ・ゼルキン)
この時代のゼルキンのピアノがライブで聴けるなんて貴重。ホールの残響がやや長いのが難点ではあるけれど、1954年のライブにしてはピアノの音自体はクリア。ただしテープノイズらしき雑音は入っている。
第30番のピアノ・ソナタは、76年のスタジオ録音をゼルキンがリリース許可しなかったので、他の録音は1952年のスタジオ録音かこのライブのみ。未許諾録音はもとから聴くつもりがないし、70年代のスタジオ録音より、50年代の演奏の方が生気に溢れている。

マーラー:交響曲第4番交響曲第9番(シノーポリ指揮シュターツカペレ・ドレスデン)
このシノーポリ&シュターツカペレ・ドレスデンのマーラーは、「マーラー交響曲全集、歌曲集」には収録されていない最新の録音。ここで見つけるとは思わなかった。交響曲全集の方は購入予定だったが、この2曲をどうするか考えていたところなので、聴いてみてから決めることにした。

マーラー:交響曲全集(ギーレン指揮南西ドイツ放送交響楽団)
ギーレンのマーラー交響曲が全て登録されている(試聴リンクは第5番に張っているが)。他にストラヴィンスキー、バルトーク、ブラームス、ブルックナー、ベートーヴェンなど多数。マーラーは指揮者によってかなり違うので、バーンスタイン、ワルター、クレンペラーをばらばらと持っているが、全集ものが一つあれば比較して聴くのには良い。ギーレンはブラームスを聴いた限りでは、切れ味鮮やかなシャープな現代的演奏。マーラーはシノーポリのような演奏が好きなので、ギーレンのマーラーは好きにはなれないだろうが、長大なマーラーの構造がくっきりと浮かびあがりそうな気はする。ギーレンは近現代ものを得意としているので、ブーレーズのマーラーを好む人には受け入れやすいかもしれない。

ミケランジェリのヴァチカン・ライブ
ヒストリカル・レーベル“MEMORIA”がリリースしている1960~1987年のライブ録音集。ピアノ・ソロはドビュッシー、ベートーヴェン、ラヴェル。協奏曲はベートーヴェンとシューマン。ヴァチカン放送からミケランジェリに送られたテープを復刻しているので、音質はライブにしては非常に良い。

リスト編曲ベートーヴェン交響曲全集(ピアノ:シチェルバコフ)
これは凄い演奏。何曲か聴いただけとはいえ、聴いていて本当に楽しい。カツァリスも全集を録音しているけれど、この交響曲全集の双璧だと思う。
カツァリスの方は、いかに交響曲的な音の重層的で壮大な響きの音響空間をピアノで実現できるかを目指したかのような演奏。
シチェルバコフの演奏は、各旋律が良く弾きわけられて明確に聴こえてきて、ハーモニーが美しいすっきりとした音響空間。オーケストラを擬似的に表現したような感じがする。
このリスト編曲版は、あくまでピアノ曲として聴くべきもので、ピアノという楽器の持つ多様性が味わえる面白さがある。この全集も手に入れたくなってきた。

ショスタコーヴィチ:ピアノ曲集(ピアノ・ソナタ第2番/「明るい川」(ピアノ編)/子供のノート)(ピアノ:シチェルバコフ)
ショスタコーヴィチのピアノ曲はかなり作風にバラエティがあるが、シチェルバコフは独奏曲しか録音していない。
ピアノ協奏曲の第1番と第2番は先日面白いCDを見つけて聴いたところ。ショスタコっぽい重苦しさも深刻さもないが、聴き応えのある曲だった。

アルカン:短調による12の練習曲 Op. 39 - 協奏曲(ピアノ:アムラン)
超絶的技巧を要する短調の練習曲Op.39のうち、No.8-10の「協奏曲」を収録。1993年の1度目の録音。初めて聴く作曲家と曲だけれど、ショパンの練習曲を聴いているよりもよっぽど面白い。
アムランのテクニックはどんなに難所でもあっさりと通り過ぎていくので、技巧的な面よりも旋律の動きや抒情面に集中して聴ける。スクリャービンやカプースチンも良かったが、アムランが弾くとこのアルカンの曲自体の面白さが良くわかる。

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番、パガニーニの主題による狂詩曲(ピアノ:ウィリアム・カペル)
飛行機事故で31歳の若さで亡くなったカペルが1950年頃に録音したラフマニノフ。艶のある音色と切れのあるタッチ、情感豊かに歌うラフマニノフが素晴らしい。

バルトーク大全集(管弦楽曲、ピアノ協奏曲)
Hungarotonが参加しているので、複数あるバルトーク全集が登録されている。錚々たるハンガリー出身の指揮者・演奏家が録音しているので、演奏の質はかなり高い。ピアノ協奏曲は、コチシュとラーンキ。アンダは入っていないのが少し残念だけれど、2人の演奏も非常に良いもの。他にピアノ曲全集や室内楽曲全集もあるという贅沢さ。

ピアノ作品全集 (ピアノ:ヤンドー)
コチシュのCDは持っているけれど、かなりバルトークの荒々しさを感じさせるゴツゴツとしたところがある演奏なので、他のピアニストで聴いてみたかったところ。
ヤンドーは現在世界でもっともCDが売れているピアニスト。そのあまりのレパートリーの広さに否定的な評価をする人もいるようだけれど、抜きん出た個性というものは希薄かもしれないが、彼が弾くバルトークには質実剛健的な堅実さがある感じがする。

バルトーク:ピアノ協奏曲全集 (ピアノ:シャーンドル)
バルトークの元で学んでいたシャーンドル。ポリーニのような技巧的アクロバティックな演奏がバルトークが表現しようとしたものではないというのがよくわかる演奏。技術的に安定して堅実な演奏のヤンドーよりもテクニックは劣るが、音自体の切れは良くピアノの自由さが感じられる。

シチェルバコフとヤンドーは、NAXOSのピアニストなので録音したものは全曲登録されている。
初期のナクソスは安かろう悪かろうのイメージがあったし、演奏のレベルもばらばらだったようだ。(私の持っているスクリャービンのピアノ作品集はもう一つだった)。
最近は大分改善されているようだし、多くのマイナーレーベルが参加しているので、優れたCDは探せばいろいろ見つかるので、NMLは図書館で本を探すのと同じくらい楽しい。
なにより、ピアニストの名にこだわらず、良い演奏を聞き分けられる耳を持つことが何より大事だと思うけれど、これがなかなか難しい。

試聴したものの中でよかったCDは購入し、他の演奏家のCDで聴きたいなら、HMVかamazonで探せば良い。
以前ほどむやみに購入せずにすむはずだと思うけれど、逆に、手に入れたいCDが増えるという気もする...。
月会費は1890円なので、比較的新しい輸入盤CDの1枚分くらい。これを高いと思うかどうかは、使い方次第。加入月無料なので、1か月分の会費で2ヶ月間聴ける。試しに使ってみるには手頃だと思う。
自分のパソコンのなかに、音楽図書館があるようなものなので、24時間いつでもアクセスできるし、好きな時間に好きな曲を聴けるというのは、かなり便利。
ただし聴く時間があまりとれない人は、使いこなしきれない気がする。
音質を気にする人もやめておいた方が良いかもしれない。パソコンのスピーカーから出てくる音は、やはりアンプを通してスピーカーから聴くのとは違う。オーディオ・プロセッサーとかを使えば良いらしいけれど、好きな曲や良いと思った演奏は、CDを買ってステレオで聴いた方が良いと思う。
未聴CDの山を大分抱えてはいるけれど、CDはどこにも逃げていかないし、新しい曲と未聴CDをとりまぜて順に聴いていくのも、いろんな音楽を聴く楽しみが増えて良いものだと思う。

このサイトは、作曲家の吉松隆さんも利用されていて、「こんな便利なものはない。おかげで、最近では自分の仕事場のCD棚をごそごそ探すより、こちらで検索する方が多くなってしまった。」とブログに書かれていた。
もっとも、「いつの間にか自分のCDが聴き放題のリストに入ってしまっている作曲家としては、その便利さを前に複雑な気分ではあるのだが・・・」と末尾に付け加えているのを見ると、確かに作曲家にしてみれば、その通りだとは思う。
CHANDOSには利用料が支払われているのだろうけれど、作曲家には印税のようなものは入ってこないのだろうか。私が気にしてもしようがないことなんだけど。
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プロフィール

yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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